地方の根強い「公務員」信仰。〜そんなに「公務員」っていいの?〜

公務員記事のサムネ

田舎でよくある話。公務員至上主義。

私は親に散々勧められてきました。

  • 公務員試験受けてよ
  • 公務員試験受けるんでしょ?
  • 応募は◯日からだって!
  • どうして公務員になりたいと思わないの?

といったような言葉を、21歳〜27歳ぐらいまでひたすら言われました。

でも、公務員になりたくない人っていますよね?

今回は、親に「公務員になりなさい」と言われているけれどなりたくない人、親を説得したい人に向けての記事をお届けします。

「公務員=すばらしい」は田舎じゃまだまだ当たり前

まず、田舎の実情を紹介します。

私の知っている田舎に限ったことでしか言えませんが、2020年になった今でも「公務員の権力」をひしひしと感じます。

「公務員」というだけで人格すべてまで肯定されるぐらい、イメージが抜群にいいです。

公務員が尊敬されている言葉

例えばわたしの兄弟。実家と同じ県内に住んでいる公務員です。

お盆や年末年始で帰省すると、必ず祖母は「休み取れたの?」「いや〜忙しいだろうに」「ちゃんと休めてるの?」などとうれしそうに労いの言葉をかけます。

正直私の方が遠くに住んでいるんですが、一度もそういう言葉をかけられたことはありません。

私が大学生のときは、近所の方が、「いや〜公務員のお子さんがたくさんいて、お父さんもお母さんも鼻高々だな!」と言っているのを聞いたことがあります。

「公務員」というだけですばらしいような、そんなニュアンスを感じていました。

個人的調査による、地方公務員のマインド

私のまわりにいる「地方公務員」の発言をもとに話していきます。主にお役所系の人から得た感覚です。もちろん「こういう考えの人しかいない」わけではないです。

プライドが高い

かんたんに言うと、地元のおじいちゃんおばあちゃんぐらいが「たいしたもんだ!」と褒めるような公立高校や、地元の国公立大学出身であることを自慢のひとつだと思っているような…そんな人をよく見てきました。

私の周辺の人に限ったことなのですが

社会に出たら全く話題にすら上がらない「出身大学」にこだわって、それをひとつのものさしにしている感じを覚えた記憶があります。

おそらく地元との結びつきがつよい職業だからだと思います。ただ、私の生活では「出身大学」の話題も出ないので、急に出身高校や大学の話にこだわる人に遭遇したときにびっくりしたことがあります。

出身高校や出身大学ではその人のことをはかることなんてできないのにな、と思ってしまいます。

保守的で、新しいことへの挑戦心があまりない

嫌な言い方をしてしまうと、流行や世間で起きていることに疎く、関心が薄い(人が私の周りに多い)です。

さらに、

  • 面白そう!やってみたい→やる
  • なにそれ〜いいなぁ。教えてよ→やる

といったように、興味にしたがってアクティブに行動することが少ないんです。

だから、話していても「へぇ〜」「すごいね」「そうなんだ」ぐらいの相づちしか返してもらえず、話題をシフトすることになります。

なかには、青年海外協力隊でアフリカに行って、帰国してからは積極的にイベント開催して〜…といったように行動的な人もいます。

でも、それは私が知っている公務員の中ではマイノリティーな方かなと思います。

伝統を重んじる

「保守的」という部分にリンクするかとは思いますが、伝統や風潮に疑うことなく順応できます。

年功序列は当たり前。

警察官や自衛隊となると、上司も含めた飲み会は接待とも言えるようです。

例えば年上の人に「なんだ。お前に注ごうと思ったのにグラスが空いてないじゃないか〜!(ニヤニヤ)」と煽ります。

すると言われた側は「まいったな〜」とか言いながら一気をして空にするんですよ。

それで、その煽った人が満足げに空のグラスにビールを注ぐという…。

まだまだ古い風習が残っているところもあり、ハラスメント率高めだと思います。

「公務員のいいところ」は本当に公務員じゃないと味わえないのか

「公務員の利点」とされる要素って、公務員じゃないと得られないのでしょうか?

親にもごり押しされた要素をメインに、ひとつずつ考えていきます。

「国民の生活に貢献している」感

生活困窮者に適した措置をする、日々の安全を守る…。公務員は確かに、国民に役立っている感があるかもしれません。

でも、一般企業だって国民の生活にかなり貢献してますよね?

ヘビーユーザーの私からして、ZOZOTOWNとAmazonには感謝しかないですよ!

定時で帰れる

確かに、そういう仕事もたくさんあります。

前に、免許証の住所を書き換えるため、窓口が閉まる15分くらい前に警察署に行ったことがあります。すると、すごく嫌そうにあしらわれました。目も合わせずに淡々と、ものすごいスピードで対応されました。

「はやく帰りたいのか…」とこちらが察するほどの接しかたでした。

定時で帰るのって、一般企業は難しいですよね。私は定時で帰れる会社に勤めていますが、転職する前は「定時で帰るってナニ?」って感じでした。

定時で帰れる一般企業はあるけれど、大部分ではない。

ただ、公務員だって全員定時で帰れるわけではなく、夜中までやっている人もいますよね。「定時で帰れる」をごり押ししてきた私の親は「公務員のイメージ」で話しているだったんだと思います。

「公務員だったら早く帰れて体力的にも無理がないから」とよく言われた記憶があります。これは、公務員も一般企業も関係なく、仕事内容や職種によると思います。

子育てしながら働きやすい

これもメリットかもしれません。一般企業でも、産休・育休を取得できるところは多いです。しかし、それは制度的なだけで実績がない…という場合も。

公務員の知り合いには、産休・育休も最大限とった上で2人目、3人目…と同じように取得している人がいます。

もちろん一般企業でも、子育て支援を手厚くしているところはあります。でも、これは本当にごく一部です。

育休・産休を経てフェードアウト(退職)なんてザラです。

安定している

この「安定」ってすごく違和感ありませんか?公務員を語ると必ず出てきますよね。

「じゃあ安定しているって具体的にどういうこと?」と聞いたらちゃんと答えられるのでしょうか。

「安定」ってすごく曖昧で、人によって捉え方が大きくかわると思います。

これは大企業の場合も同じ。

「成果が出せなくても、毎月一定のお金が入ること=安定」とするならば、それが本当に良いことなのかも考える必要があります。

安定だけが全てじゃないですしね。

なぜ公務員にならなかった?

私は、公務員が周囲にたくさんいる環境で育ち、公務員の利点を親に刷り込まれてきました。

それでもなぜ公務員にならなかったのか…。そして、どうやって抵抗してきたのか説明します。

公務員のなかでやりたい仕事がないから

これだけです。

さきほどあげた利点の

  • 早く帰れる
  • 子育てしやすい

という条件よりも「やりたいこと」を優先しただけです。ほかに大事にすることなんてなかったです。

自分の人生を犠牲にしてまで一緒にいたい恋人もいなかったですし!笑

親からの押し付けに抵抗した方法

ブレずに主張する

ブレずに主張するためには「なんとなく嫌」といった理由は無理なように思えます。

やりたいことや、絶対に嫌だと抵抗できる理由を持ち合わせていないと厳しい。

相手(親)は自分よりも何十年も生きてきたわけで、話もうまいこと主導権握れます。

そのためには一種のプレゼンをするつもりで日々挑まなければいけません。

私は、

  • 編集者になりたいということ
  • 編集者になって達成したいこと
  • 公務員でそれが叶えられる可能性がないこと
  • 人生の中でどういう喜びを得たいのか
  • 夢を叶えるために必要なスキルは何なのか
  • スキルを身につけるためにはどうするべきか

ということを真面目に話しましたよ!本当にプレゼンです。

「やりたいこと」に向けて行動する

親が公務員を勧められないような状態を作るんです。

私は編集者になるために周りにどんどん宣言したり、(今はもうやってない)ブログを開設したり、雑誌の研究ツイートをしていました。

で、それをいちいち親にうれしそうに話すんです。

小学校が終わって「あのね〜お母さん!今日ね、◯◯ちゃんと遊んでね〜」と話していたあのときのように!

楽しいことを話している時って、すごくキラキラしているんです。

夢に向かって頑張っている我が子を見たら…、無理やりにでも公務員にさせようと仕向けていた親も、さすがに押し付けられなくなります。

まとめ

  1. 地方には「公務員至上主義」が根強い
  2. したがって、強く公務員を勧める親もいる
  3. でも、公務員「だけ」が得られる利点はない

長々と書きましたが「公務員」は一つの職業の選択肢にすぎないということです。

そして、もし公務員ではない職業に就きたいのであれば

  • 理由を論理的に説明する
  • 親が「公務員」を押し付けられない状況を自分で作る

ことが大切です。

親に押し付けられて悩んでいる地方在住のかたにとって、すこしでも励みになれば幸いです。

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