夏目漱石の「月がきれいですね」が愛され続ける理由。みんなは共感できてる?

月がきれいですね
まつもと
こんにちは!神社好き編集・ライターの松本紋芽(@Sta_iM)です

 

今日は「月がきれいですね」という言葉について、考えてみたいです。

なぜかというと、そういう本に出会ったからです。急ですけど、読めば最後に書いてあります。

 

というわけでもう進めますよ!

夏目漱石の革命的な暗喩「月がきれいですね」とは?

文豪・夏目漱石が「I love you」を日本語訳したといわれている

小説家として「こころ」や「坊ちゃん」などを著書とする夏目漱石。

 

彼は、英語教師をしていたときに「I love you」を「月がきれいですね」と訳したそうです。

というのも、生徒が「I love you」を「我、君を愛す」と訳したときに

「日本人はそんな風には言わない」として「月がきれいですね、ぐらいにしとけよ」的なことを言ったらしいのです。

 

まつもと
そんな、咄嗟に出てきた言葉なの?比喩表現すごくない?

 

「月がきれいですね」と訳した証拠は、本にない?

夏目漱石「月が綺麗ですね」

しかし、彼が「月がきれいですね」と訳したという根拠がある文献はないそうです。

 

国立国会図書館リサーチの質問ページによると、夏目漱石が「I love you」を「月がきれいですね」に訳したという事実が書かれいている本はないそうです。

 

それでも、この言葉の魅力は誰も無視できません。

大切にし…後世に残すべき言い回しだという顔をしていますし、それぐらい特別視されることが当たり前になっています。でも、なぜこんなにも魅了される人が多いのでしょう?

「月がきれいですね」が愛され続けるわけ

直接的な表現をあまりしない「日本人心」をくすぐるから

昔よりもズバズバ言う人は増えてきているのでしょうけれど、やはりまだまだ「言わないこと」「空気を読むこと」が求められることが多い日本。

 

空気を読める人は気に入られるし、空気が読めない人は「あいつなんかズレてね?」みたいに思われるケースが多いです。

 

ましてや毎日家族に「I love you」なんて言いません。

 

そういう風に、直接的な言葉を使わないし、愛情表現が苦手な日本人にとって、全く恋愛を匂わせないような「月」で気持ちを表したという点がとっても画期的だったわけです。

 

そしてクールにも思える。

「好き」という明るい気持ちとのギャップがクセになるから

どちらかというと静かで冷たい印象の「月」。

一方で「好き」は、明るくて、賑やかで、情熱的な気持ちが含まれています。

まつもと
どちらかというと、「太陽」の方がイメージに近い気がするけど

 

でも、特に「満月」には、「好きという気持ち」が自分の心の中で溢れそうになるようすが投影されているようにも思えます。

静かにふつふつと、満ち足りた思いが存在している感じ。

 

一見相反するように見える「月」と「好き」だけれど、そこで解釈を変えるだけで急にしっくりくる感じがどうにも心地よいのだと思います。

 

もはや「好き」を直接言うよりも恥ずかしいくらいのクサさが、良い!

「月がきれいですね」=好き(愛している)という式は、常識レベルで認知されています。

 

しかも、「月が綺麗ですね」は知的さも相まってなんだかロマンチックです。趣があります。

 

だからこそ、なんだかクサいのです(笑)。

 

ここまでメジャーな言い回しになると、ネタ的な扱いになってきます。

…真顔で「好きです」っていう人はいても、真顔で「月が綺麗ですね」と告白する人はいない。

 

だからこそ、ライトな場面で冗談交じりに言いたくなってしまうのです。

まつもと
夏目漱石は、まさか現代でこんな扱いになっているとは知らないだろうな〜

「月がきれいですね」で始まり、そして終わる恋

最後はお互いに言えなかった「月がきれいですね」

なぜ今回、こんなにも夏目漱石の「月が綺麗ですね」を考えていたかというと、

この本に影響されたからです。

枕木みる太

メディアワークス文庫:「夜空は見上げる君に優しく」(枕木みる太 著)

 

 

ちなみに見出しで思いっきり「ネタバレ」をさせました(笑)。結末を言ってしまいました(笑)。

 

公式サイトのあらすじは、以下のとおりです。

「月が綺麗ですね」 漱石の愛の言葉で紡がれる切ない物語に、涙がとまらない。
夜空は見上げる君に優しく

著者/枕木みる太

 

あらすじ:

渋谷の夜を照らすアドバルーン。気球から下がる布には、夜の街を楽しむ人達のメッセージがつぎつぎと流れていく。
そんなメッセージの中に、「夜が怖い人もいるんです」という悲壮な呟きを見つけた、気球の管理人、横森佑。夜のにぎわいを守るため、呟きの主と待ち合わせると、やってきたのは一人の少女。それが、言葉を発せず、今にも消えてしまいそうな女子高生、咲良との出会いだった。夜の屋上に居場所を見つけた青年と、夜に脅える少女が、二つの月の下で出会う、儚い恋愛物語。

引用:メディアワークス文庫の公式サイトより(http://mwbunko.com/978-4-04-893623-1/

 

 

27歳の青年は、教師気球の管理人という二足のわらじで生活している人です。彼は、この「気球」に流れるメッセージをきっかけに、女子高生と出会うことになります。

 

少女は青年のことを「先生」と呼ぶ。

気球を上げながら二人が見上げる夜空には月があって、夏目漱石の知識がない少女が「月がきれい」なんて言っちゃうんです。

すると先生は「昔、夏目漱石がね…」と語りだす。

 

「ってことは、今私は先生に告白したってことになるんだ」みたいな、なんともピュアなやりとりが続く。

 

 

最後にも「月がきれいですね」が出てくるし「ずっと月はきれいだよ」なんていう言葉も出てくる恋愛ストーリー。

 

 

それぞれが抱える悩み

  • 仕事
  • 生き方
  • 病気

などの話もあるので、決して「全力で幸せなストーリー」ではありません。

 

でも、こういうライトノベル?を初めて読んでみて、ちょっとハマってしまったので…みなさまにも共有したいと思いました。

 

念のためリンク貼っておきます〜

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