今日は、私が文章と向き合うバイブルとなった本を紹介します。
山田ズーニー氏・おとなの小論文教室。
その本は、
文章に関する講座を開いたり、ほぼ日イトイ新聞で連載をしていたりする山田ズーニーさん…の著書「おとなの小論文教室。」です。
ご存知ない方もいるのかもしれませんが…
この方の文章のすごいところは、読み手にギリギリまで近づいてくるところだと思います。読んでいて、ズーニーさんが隣にいるような…いや、正面から私を見透かしているような感覚に陥ります。
彼女は昔、教育系の会社にいて、そこで小論文の添削などをしていました。
でも、転職などで「環境の違い」などに苦しむ。
そのようすがありありと書かれているんです。
彼女の葛藤が、編集者やライター、企画を考える人ならつい共感してしまうものばかり。
たとえば、
前の会社なら「山田さんの言っていることなら、実績もあるし任せましょう」となっていたけど、新しい会社では根拠や冷静で論理的な視点が求められ、戸惑い、会議で相手にされないというシーン。
私も地元の会社から東京の出版社に転職したとき、今考えれば「当たり前に必要な論理的思考」も備わっておらず、とても苦労しました。
会議でどう話せばいいかわからず、置物のように固まっていたことを思い出します。
また、そういう職業についていない人からのおたよりにコメントした文章もあり、そこがまた共感性が高いんです。
主婦や会社員、学生のなかで
自分を空っぽだと思っている人
が、自分に苦しみ、自分と向き合って、意志を認識していく。
そんなおたよりを読んでいると、自分の思考回路も一緒に動いて成長しているような感覚に陥ります。
そしてなにより、難しい言葉遣いがなく、読み手にとことん親切なのもポイントです。
文章を書く人にとって「読み手に親切にする」ことは、かなり重要ですからね。
そのことを、この本がきっちり表現しています。
ぜひ、読んでみてください。
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