大人になればなるほど、リーダーというのは、リーダーの素質がなくても役割としてまわってくることを痛感する。
学生の時の
- 部長
- 学級委員長
- 生徒会長
などは、比較的「リーダー性」のある人が選ばれる傾向にあると思う。
でも、仕事だと、いつのまには上司が辞めて、自分が急に「●●長」と名のつく役職につくことは珍しくない。
リーダー気質じゃなくても、嫌でも、「その時」は訪れる
リーダーというと
- 全体を把握する能力が高い
- 迷いがない
- 意見をどんどん言える
- 周囲を巻き込む力がある
といったイメージがあると思う。
だから
- 地味に陰でひっそり生きていくタイプ
- 意見をすぐ言うよりも、リスクなどを考えた上で発言したい
- リーダーを補佐する方が向いている
という人は、まったく関係のない領域のお話だと思うかもしれない。
しかし、ある日、そういう役回りが急に降ってくる可能性がある。
「自分、そういうキャラじゃないんでw」とか通用しない。もうそれが仕事として降ってくる。
自分の後輩にそれを頼むわけにもいかない。
どう考えても自分しかいない、みたいな状況。
相次ぐ「電撃脱退」で「モーニング娘。」のリーダーに抜擢された高橋愛
アイドルグループでも、そんな問題を抱える人は多い。
高橋愛氏は、これまでのリーダーが電撃脱退をしたため、急にトップに立つこととなった人。
リーダー向きじゃない人の苦悩、そのための奮闘がリアルで泥くさくてよい。
「つんく♂さんに言われた『苦しい時期にやるべきこと』にハッとした」高橋愛のリーダー論@shin_R25 https://t.co/ShstIzZpfl
— 松本紋芽(編集&ライター) (@Sta_iM) February 6, 2019
新R25の記事を一部引用する。
ライター・小沢:苦手だったというリーダーをやってみて、苦労したことってありますか?
高橋さん:すぐ感情があふれちゃうことですかね(笑)。
引っ張るタイプのリーダーじゃないから、1対1で話し合おうと思って、まず全員と向かい合う時間をつくったんですよ。でも私、言葉にするのがあんまりうまくなくて…泣きながら話すこともありました。
最初は、同期のガキさん(新垣里沙)とぶつかったんですよ。
ライター・小沢:全員と1対1で話し合うってすごいですね…
新垣さんとはどんなことでぶつかったんですか?
高橋さん:彼女のほうがリーダーに向いてるんですよ。
頭の回転が早いし、全体を見ることができるから、細かいことによく気がつくんです。私は猪突猛進タイプで、真逆。
ガキさんに任せっきりになっちゃって、メンバーに対して小姑みたいなことを言わせちゃうこともあって。「なんで私が言うことになるの?」「リーダーは愛ちゃんの役目だよ。愛ちゃんから伝えなきゃダメだよ」ってよく言われてましたね。
このように、リーダーは「リーダー」という名前を背負ってがんばるものの、そもそも「向いていない」ような性格の人にとってはすべてがしんどい。
高橋氏は、リーダー性のある人に忠告され、助けられながらも覚悟を持って突き進んだという。
リーダーのかたちは、いくつもある
よく想像されるリーダー像にあてはまらなくても、その人なりのリーダーのかたちがある。
そのメッセージを、初代リーダーの中澤氏は、高橋氏に示したのだろう。
高橋さん:前リーダーの脱退が急だったので、先輩たちが心配して、すぐ連絡くれました。中澤裕子さんも「いままでのリーダーを目指さなくていい。高橋は高橋のスタイルでいい」って言ってくれて、気持ちが楽になりましたね。
「ひとりで抱え込まなくてよかったんだ」って。同期もいるし、周囲をきちんと頼ればいいんだ、と落ち着けました。
今、リーダーシップがない自分について悩んでいる人も、自分なりの「チームの作り方」があることを知ってほしい。
私も現に、後輩やアルバイトの学生に新たな感覚を教えてもらいながら、日々、支えられている。
私はこんな記事も書いて、「自分は向いていない。リーダー失格」と蔑んでいた自分を、ちょっとだけ前向きに捉えられるようになった。
リーダーだって頼っていい。支えられて存在したっていい。いや、実はリーダーこそ、周りに支えられて存在している。
だから、「私がひとりでやってやる」とあまり背負いすぎないでほしい。
コメントを残す