「仕事人」の魅力。ライブを見て、バカリズムがかっこいいと思った

 

懸命に働く姿は、男女問わずかっこいい。

だから、お笑い芸人のバカリズムは、とてもかっこいい。

「トツギーノ」の人って、こんなに面白いの?

仕事の延長で、イラストが面白いお笑い芸人をかたっぱしから調べていた2016年の秋、バカリズムのフリップ芸にものすごくハマった。都道府県ネタは本も買った。

ネタ動画もたくさん見て、「架空OL日記」「素敵な選TAXI」は本も買ったしドラマも見た。「ウレロ☆シリーズ」「住住」「黒い十人の女」はもちろん、バナナマンとの「そんなバカなマン」を生きがいにしていた。

 

「プロ意識の塊」。仕事を全うする姿に完全に惚れた

2017年の5月、バカリズムライブ「ぎ」で初めてバカリズムを見た。

この日、当日券を求めて朝から並んでいた私は、会場入りするバカリズムを普通に見かけた。ラフな格好でタクシーを降りて、裏口とかではなく…普通に私も出入り口として使ったところから入ってきた。

伏し目がちだし、覇気がどこにもない人だった。「あ〜はいはい」と小さく言いながら心が無い状態で一応サインに応じている姿を見て、少し笑ってしまったのを覚えている。

 

無事チケットを買えたので、席に座った。「さっきの人があのステージから出てくるんだな」と思うとちょっと変な気がした。

暗転して中央にスポットライトが当たった。すると、さっきとは別人じゃないかってくらい、全身からするどいトゲが出ているようなすさまじい覇気でバカリズムが出てきた。ネタがはじまるとまっすぐ前だけを見て、大きな声でネタを進行し、みんなを引き込む。さっき見かけた時の声のボリュームが1だとしたら、ステージ上は130くらい。

ひとつのミュージカルを見ているような気持ちさえした。

 

彼は、500人ほどいるお客さんにひとりで立向かう武士のようだった。でも決して500人の注目に気圧されてなんかいなくて、むしろ空気だけでお客さんを圧倒していた。

お笑いライブ自体が初めてだから、空気感も単純に新鮮だった。笑いだけじゃない、笑うポイントに行くまでの独特のシーンとしている緊張感。そこから笑いが起こる。理解までに少し時間がかかり、じわじわと波がやってくる笑いもあれば、パターン化しているボケには「あのオチが来るんじゃないの?」とみんながクスクス笑いはじめるケースもある。

 

多様な笑いを引き起こすバカリズムは、この瞬間が勝負だ。ライブに来た人たちが払ったお金以上の満足度を与えなければいけない。「なんかつまんない」と思われたらもう一生ライブには来ないだろう。

舞台で堂々と話し続ける彼は輝かしく見える一方で、この一瞬さえも手抜きは許されないというプレッシャーがある。その緊張感と気合いを背負いながら、全力で「お笑い芸人」としての仕事を全うする姿に心を打たれた。「かっこいい」としか思えなかった。

 

ライブは単純におもしろかった。仕事のことも忘れて、とにかく純粋に笑うことができた。

でも、帰り道はずっと、ビジネスとしての自分の価値を考えていた。私はここまで緊張感を持って働けているのだろうか。手抜きをしてたるんでいるんじゃないのか?ひとりでなにか成し遂げたことはあるのだろうか?

そういうことを考えると、やっぱりその日見たバカリズムが格段にかっこいいと思った。覚悟を背負って人を笑わせる「仕事人」だった。すばらしい仕事人だった。プロとしての仕事への姿勢に、完全に惚れてしまった。

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