映画『カメラを止めるな!』を見た。仕事での「板挟み」/流れ作業になる瞬間  さまざまなシーンで胸が痛む

 

先日ようやく映画『カメラを止めるな!』を見てきました。ネタバレもするので、まだ見ていない人で、絶対に内容を知りたくない人はもうこのページを閉じてください。

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私は編集者として、複数の人に助けてもらいながら業務を遂行するところが、この映画で描かれているひとりの「映画監督」と通ずるところがあると思いました。

あるある的に振り返っていくので、編集者の人は共感できるポイントが多いかと思います。

映画のストーリーと編集者のあるあるポイント

「私じゃなくてもいい」仕事を請け負ってしまう

これはすべての人に当てはまることではないと思います。

でも、いくつかの仕事のなかで、私はこういうものがありました。もっと適した人はいるはずだけれど、その人が忙しかったり、他の事情があったりして、手が空いている自分にまわってくるという仕事。

映画のなかでは、映画監督(役)の日暮隆之が、バラエティー番組の再現VTRの仕事をただひたすらこなす日々を送っています。泣くシーンも、目薬を使ってささっと撮影して、映像チェックもそぞろに「OK」を出します。

役者への説明もたいしてせずに撮影をしている最中、他のスタッフと「飲みに行きましょう」なんて雑談しています。

ここまで投げやりな行動はさすがにないですが、投げやりな気持ちになってしまうことは確実にありました。だから、このシーンは胸が痛かったです。こういうことあるよなぁ、と共感できてしまうことが恥ずかしくもあります。

 

でも、そんな仕事これからはしたくないですね。クソな仕事はクソな人にしかまわってきません。

自分がそこから脱出するしかない。

「あなただからお願いしたい」と言われるためには、それに見合う人間になるしかないです。

 

他人の意見と本来やりたい方向性とが違うのに、他人の意見を飲んでしまう

映画のなかでは、ゾンビのノンカット番組に出演する女優さんがNG(項目)を出してきたり、泣くシーンは目薬がいいと言ってきたりします。

本来は映画のストーリーを考えて監督の日暮さんが意見を通すべき場面でも

。分かりました!じゃあナシで行きましょう」なんて威勢良く言ってしまうんです。

私も昔はよくやっていました。

読者に届く内容にすることが第一なのに、

  • デザイナーさんに機嫌損なわれたらどうしよう
  • ライターさんにこんなダメ出ししたらめんどくさいって思われるかな

とビクビクしてばかりで、自信のなさが思いっきり行動に出ていました。

だからデザイナーさんの機嫌が悪くなってきたら、「そうですよね。申し訳ございません!ではこのページはここのフォントの色だけ直して進めてください」なんて言ってしまっていました。

これは、経験値が上がって自信がつけば変わってくると思います。わからないうちは、自分の中でも判断基準がなにもないのでフラフラしてしまうだけです。

だから、何個か業務を遂行していけばできるようになります。それまでは上司や同僚にマメに相談して、判断基準をすり合わせていくしかないと思います。新しい転職先であたふたしている私は、まさにマメに相談・確認をしているところです。

 

いざやってみると予想外のことが起こる!でもやるしかない

映画では

  • 役者が事故に巻き込まれ出演不能
  • 泥酔した役者が出番になっても起きない
  • 役者がお腹を下して演技どころではなくなっている
  • 世界観に入りきった役者が台本を無視し続ける

というシーンが出てきます。この辺のシーンは爆笑ものなのですが、なにかひとつの作品を作り上げるために動いていると、予想外のことが起こるのはそう珍しくないです。

だけど、スケジュールもあるから今できる最大限の対処をするしかない。そうすると、職業とか関係なくできることをやるしかないんです。

私がストレッチ系の本を出した時には、モデルさんの脇汗が止まらず女性スタッフ総出でドライヤーを持ちだして、ポーズが何個か終わるたびに乾かしていました。

動きによってスポーツウェアの丈が足りないことが分かると、いくつかのカットを2日目にまわしました。2日目に備えて、その日撮影が終わってからその辺のアパレルショップをハシゴしてTシャツを何枚か買い込みました。

ついでにヨガマットの色もTシャツと合わなさそうだったので、新たに買います。

自分が編集者なんだから、「ダメかもしれませんね」「どうしたらいいんでしょうね」なんて言ってしまってはだめだと思って「できるようにする!」ということだけのために働きました。

心のなかではすごく悩むし、時間的にも忙しくなって体力も消耗するし、寝る前に「間に合わなかったらどうしよう」とハラハラするんですが、スリル感がなんだかんだ楽しくもあります(笑)。

だから、それがかたちになったときはなんとも言えない達成感があります。みんなで「おつかれさまでした!」って言い合う瞬間も最高です。

この映画にもそういう達成感がありました。

これまでの自分の経験と重なって、最後は鳥肌が立ってなぜかポロポロ泣いていました。

 

『カメラを止めるな!』を見てください

これだけネタバレをしているので、これから観る予定の人はここまで読んでいないと思います。すでに観た人か、観る予定がない人か

観る予定がない人も見てほしいですね。最近やたらと絶賛されているので「ハードル上がっちゃうよなぁ」なんて思っていた私も、結局観て良かったと思っています。

最初の40分くらいは、私はまだこの映画の面白さを理解できませんでした。あとからじわじわ来るパターンでした。

編集者はもちろん、仕事でなにかプロジェクトを動かす役割にいる人は、共感できる部分が必ずあります。

そして「自分は果たしてこれだけ必死になったことがあるだろうか?」と、仕事、人生をちょっと考え直せる機会ができるはずです。

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